【具体的】ぐたいーてき

空 20080506

「はっきりとした実体を備えているさま。個々の事物に即しているさま。」
 
具体的であるということは、結構、大切なことだと思う。
 
以前、「プロフェッショナル(NHK)」で、
宮崎駿が、「理想を追いかける現実主義者でなければいけない」と言うのを聞いた。
一橋大学野中郁次郎教授が、6年ほど前に、
その宮崎駿の相棒である鈴木敏夫氏を評して、
「理想を失わない現実主義者(Idealistic Pragmatist)」
と書いていた文章を最近目にした。
 
どちらがオリジナルかは定かではないが、
理想を追い求め、一方で現実的に考え、行動することが重要だという主張に変わりはない。
 
その「理想」と「現実」をつなぐために、
「具体的である」ということはとても重要だと思う。
 
理想を具体的な形に描いてみる。
理想を実現するために具体的な方法を考えてみる。
理想が実効性を伴うよう具体的な事実に則して検討してみる。
 
例えば、
「将来、ポルトガルの街で暮らしてみたい。」と夢を持ったとして、
ただそう思っているだけでは、いつまでたっても夢は夢にしか過ぎない。
けれども、
「じゃあ、貯金をしよう」
ポルトガル語を勉強しよう」
ポルトガルの文化と歴史について勉強してみよう」
と考えて、行動に移していけば、
やがて夢は現実に近づいていくかも知れない。
いや、現実が夢に近づいていくと思った方が、もっと楽しい。
 
ある理想について、いくら沢山の言葉を並べて、
その理想がいかに素晴らしいかを語ったところで、
それは一時的な自己満足にしかならない。
結局、何の足しにもならない。

「夢は、いつまでも夢だからこそいいんだ」という主張もあるだろう。
けれども、具体的でない「夢」は、
あやふやなまま、
いつの間にか風化してしまうかも知れない。
 
理想に対する美辞麗句を並べている暇があったら、
具体的で、実行可能で、現実的な方法を考えてみる。
理想と現実のギャップを言葉巧みに非難する元気があるなら、
そのギャップを埋める具体的な行動に出て見る。
 
何も難しことでなくていい。
「具体的」で、実行可能なこと。
それが「理想」と「現実」を繋げる魔法のことばなのだ。