シスレーの絵は、空の分量が違うのだという話をしていた。
そうしたら嫁さんは、
「なんと言っても、東山魁夷のそらの分量よ」
という。
「なんとも絶妙な、どうしてこういうバランスを思いつくんだろうっていう感じよ」
我が家のリビングから見る景色は、
空:街並みが、2:1くらいだ。
高い建物の少ない田舎町なので、
贅沢なくらい空が味わえる。
都会の街中を歩いていると、空を見上げることなんて滅多にない。
- 作者: レイモンコニア,Raymon Cogniat,作田清
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 単行本
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江ノ電に乗っていたとき、ふと、
「ああ、この街に住みたいという人の気持ちが分かるな」
と思ったのは、きっと、目に飛び込んでくる空と海の分量のせいだろう。
どかんと大きい海と空があって、
その間に日にさらされて色あせたような家・町が控えめに並んでいる。
べつに、控えているつもりはないんだろうが、
どんなに頑張っても、圧倒的な空と海と光の前では色あせてしまう。
まあそれでも、べつに構わないというように、家も町もスッピンで威張っているようだが。