スイッチとフィルター

朝の海、伊東

会社を出て、駅まであるく途中、
隅田川にかかる橋の上で、
いつも、1本だけたばこを吸う。
 
駒形橋には、半円形のバルコニーが付いていて、
そこから隅田川の夜景を眺めながら、
たばこを吸います。
 
夜だというのに、
海鳥(カモメ?)達が、
川面にはみ出したバルコニーの上や下を、
くるくると旋回して飛んでいます。
 
このたばこが、僕にとってのスイッチ。
 
会社の自分と、家の自分とを、
カチッと切り替える、
こころのスイッチ。
 
でも、正直、このスイッチだけで
全てがスッキリ切り替わるものでも
ありません。
 
こころの中には、
まだ、ちいさな気がかりを
もやもやと漂う澱のよっています。
 
降車駅のホームで書く日記が、
その澱を漉すフィルターです。
 
その日あった一番印象的なもとを、
簡単なことばに代えて、
ササっと書き留めて、
パタンと閉じて鞄のポケットに突っ込んでしまうと、
あとはとてもスッキリと気分が良くなります。
 
僕の一日は、そうやって煙になったり、
ボールペンの文字になってしまうのだなぁ。