【情報】

 

 
 
【情報】じょうほう information
・ある物事の内容や事情についての知らせ。
・文字、数字などの記号やシンボルの媒体によって伝達され、
受け手に状況に対する知識や適切な判断を生じさせるもの。
・生体系が働くための指令や信号。

 
 
 僕らが発信したり、受信したりしているものは、
はたして「情報」なのだろうか。
 
「情報」には「送り手」があり、「受け手」がある。
「送り手」はメッセージを込めて情報を発信し、
受け手はそのメッセージを、知識や判断材料とすべく受信する。
 
キャッチボール
 
僕がボールを投げ、あなたが受け取る。
そしてまたあなたが投げ返し、僕が受け取る。
 
インターネットでは、
僕が投げたボールは、一瞬にして無数に増える。
だけどほとんどが「情報」として、受け取れれることなく、
地面に落ちる。
 
ボールを探していた極一部の人が「情報」としてそれを受け取る。
 
トマトを探していた人は受け取らない。
それは彼にとって、何の知識にも、判断材料にもならない。
ボールは「情報」では無くなる。
 
でも、人によっては、
僕の投げたボールがトマトに見えるかも知れない。
その人は僕に向かってトマトを投げ返す。
でも僕はトマトは欲しくない。
「おーい、ちょっと待ってくれ、
僕が投げたのはボールなんだ!」

 あるいは僕はそれをトマトではなく、
ボールとして受け取るかもしれない。
 
僕がボールを投げ、君はトマトを受け取る。
君がトマトを投げ、僕はボールを受け取る。
 
キャッチボールは続く。
だけど、少し寂しい。
 
あるいは僕はそのボールが、
見ようによってはトマトに見えることを
発見するかも知れない。
 
「これボールだけど、トマトにも見えますね。」
「トマトかと思ったが、ボールですか?」
「じゃあこっちのこれもトマトっぽくないですか?」
「いやこちらには、こんなカボチャのようなボールもありますよ」
 
僕たちの頭上を、
無数のボールや、トマトや、カボチャが飛び交っている。
本当に必要な情報とは、
自分にとって何なのだろうか
と、僕は思う。