ようやくめぐり会えた、
トーベヤンソンの、この短編集。
まだ、3分の1ほどしか読んでいないけど、
どの話にも共通する、あるテーマを感じる。
それは、こういうことだ。
住む世界も、考え方も、まったく異なる人同士が、
ふと、出会う。
当然、お互いに全く理解し合えない。
それでも、同じ時、同じ場所を過ごさねばならない。
互いの溝はどんどん深まっていく、
ほとんど我慢が出来ないほどに、相手を許すことが出来ないほどに。
そして、最後の最後になって、
突然として、お互いのことを理解しあう。
なぜ理解したのか、何を理解したのかは、
語られない。
でも、
99.9%理解し合えなくても、
たった0.1%でも理解しあえれば、
互いを許し、受け入れることが出来る。
そんな、話だ。
遠く離れた、北の大地から見る、
この世界の真実なのだろうか、
と、僕は思う。