【多様性】

 
 

 
【多様性】 たようせい Diversity
 
・いろいろなものがあること。変化に富んでいること。

 
 
価値観の多様化、
という言葉がよく使われる。
価値観の多様化が進んでいると。
 
僕らもその言葉を鵜呑みにしている。
確かにその通りだし、
間違いではない。
 
かつてのように、
みんなが同じブームに乗るようなことは
少なくなった。
 
○○系、△△系、□□系、・・・
というように、
価値観の近いグループごとに、
ムーブメントを起こしている。
 
ただ、
多様化した、というよりも
分類化した、だけのようにも思える。
 
分類というのは、
そもそも多様な事象に対して、
何とか理解・分析を試みるために、
無理矢理に複数のグループに分けていく作業である。
 
だから、本来は多様性が、分類化に先立っているはずだ。
 
ところが、現実の社会では、
先に、勝手に分類を作っておいて、
あとから、
「はいあなたはここに入りなさい、はいあなたはそっちに入りなさい」と
振り分けられることばかりだ。
 
「はい、君は○○系なのだから、こういう服装をしなければいけません」
「はい、君は小学校3年生なのだから、ここまで成長していなければなりません」
「はい、君はこういうポジションにいるのだから、こういう人物にならなければいけません」
 
これは、分類化であって、多様性の否定にほかならない。
 
多様性は豊かさを生む代わりに、
効率を犠牲にするかもしれない。
 
逆に、分類化は効率性を高めるの代わりに、
豊かさを蝕むのかもしれない。
 
と、僕は思う。
 
【分類】 ぶんるい classification
 
・事物をその種類・性質・系統などに従って分けること。
 同類のものをまとめ、いくつかの集まりに区分すること。類別。